事業視点から見るオーダーメイド

オーダーメイド事業の種類を知らなければ、自分が始めたい事業形態を詳しく調べることも、比較することもできません。

そのため、「オーダーメイド事業には、どの様な種類があるのか?」について説明します。
オーダーメイド事業の大まかな種類を知り、自分の始めたい事業を見つけてください。

オーダーメイドとは

オーダーメイドは英語で「Made to Order」と言います。

そもそも、オーダーメイドとは一体何でしょうか?
英語の様にも聞こえますが、実は和製英語です。
英語ではオーダーメイドのことを、「受注してから作る」という意味でMade to Orderと言います。
その他にもオーダーメイドを指す言葉として、

  • 「計測してから作る」という意味でmade to measure
  • 「特別注文で作る」という意味でcustom made
  • 「仕立屋が作る」という意味でtailor made
  • 「手で仕立てた」という意味でhand tailored
  • 「あらかじめ頼んだ」という意味でbespoke(been spoken for)

という、様々な言い回しがあります。

はじめてのオーダーメイド!オーダーメイドとは?
オーダーメイドの日本語と英語の【呼び方】を紹介するページです。初めてのオーダーで作るべき【定番シャツ】もわかりやすく紹介します。

「どこまで注文に対応するのか?」によって4種類に大別されています。
そこで、特徴的な4種のオーダーメイド事業を紹介します。
ちなみに日本では、セミオーダーメイドが主流です。

フルオーダーメイド / FO

お客様の最高の満足のために、すべての要望に応えるオーダーメイドです。

デザイン量:
★★★★★
体型カバー量:
★★★★★
対応仕様量:
★★★★★

フルという単語が表すように「完全な」オーダーであり、デザイン・体型・仕様などに対するすべての要望に応える必要がある受注方法です。
ただし、本当の意味での「完全な受注」をしている企業はほとんどなく、大多数の企業が、取り扱いアイテムごとに一定の受注範囲を設けています。

例えばシャツのフルオーダーの場合では、「一般的なシャツデザインの範疇で、体型や仕様に対応する」という受注範囲を設けています。
そのため、ドルマンスリーブなどの身頃に影響を及ぼすデザインのシャツは、一般的なシャツデザインではないという判断のもと、対応しない企業が多いです。

フルオーダーの良いところは、お客様の要望をすべて叶えることで、高い満足度を与えることができることです。
ただし、完璧を求められるため、少しでも違和感があるとクレームにつながりやすいです。
そのため、完全なオーダーと名乗るには、高い対応力が必要です。

フルオーダーは、お客様の要望をすべて叶えるために、採寸技術だけではなく、デザインや仕様に対する知識や、お客様の意図をくみ取る会話術、工場に的確に指示する能力なども必要になります。
製品以外にも、すべてにおいて完璧であることを求められるため、受注者と縫製者への負担が最も大きい事業形態です。

お客様に最大限の選択肢を提供できる受注方法ですが、やるべきことの多さから対応しきれなくなってしまう可能性もあります。
初めからフルオーダーメイド事業を成功させることは難しいため、他のオーダーメイド事業を成功させてから方針転換することをお勧めします。

セミオーダーメイド / SO

日本のフルオーダーメイド企業に一番多い受注方法です。

デザイン量:
★★★★
体型カバー量:
★★★★
対応仕様量:
★★★★

セミという単語が表すように、「完全ではない」オーダーであり、フルオーダーほどすべての要望には応えません。
ただし、デザイン量が多く、様々な体型補正や仕様変更にも対応できるため、一般的なオーダーメイドの範疇ではフルオーダーと比べても遜色がないです。

日本でフルオーダーメイドと謳っている企業に多いのが「セミオーダー型フルオーダーメイド」のため、大手百貨店や老舗テーラーでも多く採用されている事業形態とも言えます。

フルオーダーよりも簡単に注文を受けられることから、イージーオーダーとも呼ばれます。

セミオーダーの良いところは、豊富なデザインや仕様にも関わらずトラブルを予防しやすいことです。
特殊な要望を受けないことを明言しやすいため、問題に発展しやすい注文をあらかじめ排除できます。
また、完全ではないまでもデザインや仕様の選択肢が豊富なため、お客様からの要望に応えやすいです。
完全とは謳っていないため、フルオーダーよりも安全に受注できます。

セミオーダーは、お客様の需要が高い要望をあらかじめ想定しておくため、採寸技術以外の部分に補助ツールを充実させやすいです。
そのため、採寸技術を習得できれば、経験が少なくても適切に対処しやすく、起こりうるトラブルも想定しやすいため、受注者と縫製者の負担を減らしやすいです。

採寸を覚える必要はありますが、お客様にとって最良の選択肢を提供できる受注方法です。
品質やサービスを高い水準で保つのに適しています。

パターンオーダーメイド / PO

問題が起こりにくく、ブランドイメージを保持しやすい受注方法です。

デザイン量:
★★★
体型カバー量:
★★★★
対応仕様量:
★★

パターンという単語が表すように、「型」を決めているオーダーです。
ここで言う型とは、デザインや体型などを含むすべての規格を定めた「服の型紙」を指します。

デザインが厳選されており、対応する体型や仕様に関しても限定しています。
そのため、特殊な対応をする必要がほとんどなく、シンプルに受注することができます。

パターンオーダーの良いところは、あらかじめ決めた型のサイズゲージを用意しておき、着用してもらうことで、お客様を計測する必要がなくなることです。
同時に、サイズゲージを着用することで、お客様自身が仕上がりの分量感を把握しやすいため、着心地に関する製品トラブルが発生しにくいです。

また、デザインの組み合わせや体型バランスを限定しておくことで、ブランドイメージを崩すことなく受注することも可能です。

パターンオーダーは、受注する型をあらかじめ限定しておくことで、受注者と縫製者の負担をミニマル(必要最小限)に抑えることができます。

お客様に最適な選択肢だけを提供する、シンプルな受注方法です。
初めてのオーダーメイド事業や、ライセンサー(ライセンスを供給する側)として事業を管理するのに適しています。

バイオーダー / BO

企画者が良いと思えるものだけを受注できる方法です。

デザイン量:
体型カバー量:
★★
対応仕様量:

バイという単語が表すように、注文されてから製造が開始されます。
デザインや仕様などを決定し、サイズや生地など一部分のみを指定できます。

この受注方法では、既製服のサイズスペックを利用することが多いため、XS~XLまでの5サイズ程度を用意していることが多いです。
デザイン・体型・仕様を最小限まで絞り込んだパターンオーダーと言い換えることもできます。

バイオーダーの良いところは、ほとんどの内容を既に決めているため、トラブルが発生しにくいです。
また、接客の必要性が低く、ECサイトなどに適しています。

既成オーダーは、制服などに採用されやすい事業形態ですが、ODM (Original Design Manufacturing / 企画・設計・製造を一貫して請け負う事業) などにも有用です。

企画者が良いと思うものだけを提供できる受注方法です。
生地だけで勝負するブランドや制服、クラウドファンディングなどの受注生産品に向いています。

まとめ

説明した4種の他にも受注方法が細分化されているため、ざっくりと紹介します。
名称と概要からある程度は想像がつくと思いますので、ここでの詳細説明は割愛させていただきます。

フルオーダーメイド / FO
お客様の要望をすべて叶える受注方法です。
本来の意味でのオーダーメイドです。
セミオーダー型フルオーダーメイド
日本でフルオーダーメイドと謳っている企業に一番多い受注方法です。
選択できるデザイン数はかなり多いですが、事業形態の分類はセミオーダーメイドです。
セミオーダーメイド / SO
選択できるデザイン数が多い受注方法です。
かなり特殊なことでない限りは対応可能です。
セミオーダー型パターンオーダーメイド
日本でパターンオーダーと名乗っている企業の、半数近くが採用している受注方法です。
パターンオーダーに少しだけ対応力を増しただけですが、事業形態の分類はセミオーダーメイドです。
パターンオーダーメイド / PO)
お客様の需要に合わせたシンプルな受注方法です。
受注しやすく、問題が起こりにくいです。
バイオーダー / BO
制服などの受注生産品などに用いられやすい受注方法です。
指定できるものが少ないため、ECサイトなどでも問題が起こりにくいです。
既製品
受注してからではなく、製品をあらかじめ作って売る方法です。

セミオーダーの派生形が多い理由は、対応力を落とさずに安全なシステムを組みやすいからです。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

【相性診断】仕事にするならこんなオーダーメイド
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