独学の人にもオススメの アパレルCAD & PCの動作環境

アパレル

独学で学んでいる人は、プロの現場で使われているツールが気になると思います。
そこで今回は、オススメのアパレルCADとPCの動作環境 を紹介します。

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オススメの2D-CADは?

アパレルCADでオススメのものは?とざっくりと聞かれたら、まず 東レACSのクレアコンポⅡ” をオススメします。

アパレルの企画・設計の⽣産性向上ソフト CREACOMPOⅡ|東レACS株式会社
東レACSのアパレルCADソフト「CREACOMPOⅡ(クレアコンポ2)」は、急速に変化するIT環境に対応して、アパレル産業の企画・設計工程の更なる生産性向上をアシストします。

クレアコンポⅡは、アパレルのなかでも流行や定番以外の型が多く存在するレディースアパレルに向いています。

オススメの理由はまず、圧倒的なシェアの高さです。

専門学校や社会人用のパターンスクール、アパレル企画業などの多くのユーザーがクレアコンポシリーズを使用しています。
ユーザーの総数が多いため使い方の情報も豊富ですし、何かトラブルが起きたとしてもインターネットで情報収集をすれば大体解決します。
公式テキストや教育サポートなども整っていますが、独学で学ぶ人にとってユーザーが多いのは心強いと思います。

また、ユーザーの多さは仕事のやりやすさにも直結します。

別メーカーのCADとデータを送受信する際には、DXFというCADの共通データ形式に変換します。
この形式は “最小限の座標と文字” だけにして、他のメーカーでも読み取れるようにします。
ただしDXF形式は独自機能で作成されたものが失われるため、キャプチャ画像や補助資料などを一緒に送る必要があります。

また共通形式への変換は完ぺきではないため、パーツ名称が長すぎたり全角スペースが使われていたりするとエラーを起こしてしまい読み込めない可能性があります。
そのため、スムーズな仕事を行うにはできる限り “メーカー・ソフトウェア・バージョン” が一致している方が良いのです。

ユーザー数が多いという事は、便利な機能を活かしたまま情報のやり取りができるという事にも繋がるのです。

つぎにオススメする点は、パッケージとして完成されたシステムです。
パッケージとして完成されたシステムとは、初めての人にも理解しやすく使いやすい形に最適化された状態だと思っておいてください。

他メーカーのCADはアパレルメーカーごとの独自の使い方に合わせてカスタマイズします。
カスタマイズの自由度が高いものは、アパレルを熟知している人には魅力的に映ります。
ただし逆に言えば、熟知していなければ何をして良いか分からず使いにくいです。

クレアコンポⅡに限らず東レACSは、個人でカスタマイズすることは非推奨です。
カスタマイズを依頼するにしても、他メーカーよりも割高です。
ただし、カスタマイズをしなくても十分に機能するだけの完成されたソフトウェアに仕上がっています。
そのため基本に忠実に作業するだけで良く、想定外のエラーが起こりにくいです。

分かりやすく使いやすいため、独学の人へのオススメ度は高いです。

最後にオススメをする点は、きれいな線が簡単に引きやすい事です。

クリエイティブ職に関わっている人であれば、アドビ社のソフトに触れたことがない人はほとんどいないと思います。
もしイラストレーターを使用したことがあれば、そのスキルがクレアコンポⅡに活かせます。
クレアコンポⅡとイラストレーターの線の調整方法がほぼ同じ認識だからです。

ざっくりというと、点をうって、ハンドルでカーブ形状を調整します。
ノブノードを調整することにより自然できれいなカーブが書けるため、縫製トラブルの起きにくい線を書くことができます。
他メーカーでは、いまだに点と点を結ぶ形式を使用しているところもあるため、それらと比べると圧倒的に線が滑らかです。

販売に適したきれいな型紙を作りたいのであれば、クレアコンポⅡが適しています。

他にも操作性の良さや、保持情報量の多さなどのメリットもありますが割愛します。
ただ、逆にデメリットもあります。

東レACSの最大のデメリットは、データ容量の重さです。

まず保存データの重量です。
基本の保存形式がキャンパスの丸ごと保存のため、かなりのデータ量になります。
製図の経緯を保存できるため便利な機能ではありますが、ストレージを圧迫する原因にもなります。
完成後は必要なデータだけを残してデータをダイエットさせましょう。

また、動作環境によっては負荷が多くかかり、作業が重くなることも多いです。
他のメーカーのCADと比べればクラッシュ率は低いものの、ショートカットを使用してのスピーディーな作業には高い処理能力が必要となります。
また、自動保存されるヒストリの手順数によっては、フリーズに近い遅さになることもあります。
基本的に “Ctrl+Z” に頼らず、可能な範囲でヒストリの保存数を減らしておきましょう。

そうは言っても、アドビ社のソフトと負荷を比べればまだ軽い方です。

このデメリットはマシンスペックを上げれば大幅に改善できるため、新規購入者にはあまり問題にはならないと思います。
そのため、アパレルCADでオススメのものは?と聞かれたら、2D-CADの “東レACSのクレアコンポⅡ” をオススメします。

(わたし個人としては、自由度が高くカスタマイズし放題のエイプロス(旧・旭化成AGMS)の2D-CADが好きですが、独学で使いはじめる人にはオススメできません。)

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オススメの3D-CADは?

今まで使用していた2D-CADと同じメーカーだと覚え直しが少なくすむため、つい東レACSに目が行きがちになります。
ただし3D-CADに関しては使い道が大きく変わるため、おススメメーカーも当然変わります。

3D-CADでオススメのものは?と聞かれたら、ユカアンドアルファが取り扱うCLO” をオススメします。

CLO Enterprise|新たなアパレル3D着装シミュレーションシステム
「CLO Enterprise(クロ エンタープライズ)」はリアリティと操作性の両立をかなえた新たなアパレル3D着装シミュレーションシステムです。サンプルコストの削減、企画・生産時間の短縮を実現します。

(ちなみに、ユカ と アルファ でユカアンドアルファではなく、“服の型紙に強いユカ と ソフトウェア開発に強い アンドアルファ が合併して ユカアンドアルファ” です。)

オススメの理由は、なんといっても映像が綺麗なことです。
3D-CADはこれに尽きます。

2D-CADはパタンナーが扱うものとして、製図に理論的な情報を反映させるために使われてきました。
この理論分野に関しては2D-CADで事足りているため、3D-CADは補助的にしか使用しません。
では3D-CADに、最も求められているものはなんだと思いますか?

パタンナーが使用するだけではなく、デザインチェックなどの企画職全体が行う直感的な判断をするための材料としての簡便性が、3D-CADには求められています。

型紙を見せられたところで良し悪しが分からないので、新しい企画ではトワルやサンプルを組み上げる必要があります。
ただ、現物を組み上げるには “手間・時間・資金” がかかります。
それをデータで疑似的に組み上げることにより大幅に省き、すぐに判断ができるようになり、仕事の円滑化が図れるという訳です。

そのため、アパレルの2D-CADは制作者が使いやすいものを選択する必要があり、アパレルの3D-CADは企画部隊を納得させやすいものを選択するべきといえます。
そのため、映像が綺麗なことがかなり重要なのです。

また販売促進の観点から見ても、映像が綺麗であることは必須です。
3D-CADによる疑似試着やオンラインファッションショーなどは、綺麗な映像でなければ意味がないです。

その他にもいくつか理由はありますが、どれも映像の綺麗さが必要だというだけの似た話なので割愛します。

製図作成だけであれば2D-CADで事足りているため、3D-CADは必要ないです。
そのため3D-CADを導入するのであれば、今までとは違った観点から仕事に活かす必要があります。
よって、3D-CADを最も活かすために必要なのが “映像の綺麗さ” であり、その観点から3D-CADは “ユカアンドアルファが取り扱うCLO” をオススメします。

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PCのスペックと動作環境

使用するソフトウェアを決める前にPCを購入しないでください。

どのCADを使用するにしても、仕事をする以上はハイスペックのパソコンが必要です。
簡単にまとめると “Windows10 Pro の入ったゲーミングPC” がオススメです。

ゲーミングという仕事にふさわしくない名前と虹色に光るイメージから敬遠されがちですが、動画処理用のハイスペックPCだと認識を変えてください。

ゲーミングPCは画像の処理能力に長けています。
また、情報処理を並列かつ高速でおこなえるマシンが多いため、ショートカットを多用したスピーディーな仕事にもついていくことができます。
また、データの書き出し速度も速いため、仕事での無駄な待ち時間が減らせます。

これらの理由により、CAD用PCには “Windows10 Pro の入ったゲーミングPC” がオススメです。
欲をいえば “ストレージがSSDの1TB” くらいあると今のところ申し分ないです。

※ Windows11への移行は順次行っていますが、まだ先の話だと思います。

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まとめ

2D-CADを使い始めるなら “東レACSのクレアコンポⅡ” がオススメです。
3D-CADを使い始めるなら “ユカアンドアルファが取り扱うCLO” がオススメです。
個人でPCを購入する際は、ソフトウェアに必要な条件を満たしたゲーミングPCを検討しましょう。

最後にお願いがあります。
中古で “CADソフト入りのWindows7までの旧式PC” を買うことは止めてください。
単純にスペックが低すぎて使い物にならないうえに、クラッキングによる情報漏洩のリスクが高すぎます。
安物買いの銭失いにならないように、骨董品には手を出さないでください。

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