商品への認識や基準は、お店ごとに違います。
そのため、同じ言葉を伝えたとしても、買うお店ごとにお勧めする商品の形も質も違ってきます。
この記事では、「普通のデザインの形態安定シャツが欲しい」と言ったときに、お店ごとにどの様な違いがあるのかを比較します。
“普通” に対する評価一覧
まず、結果を一覧にしました。
星が多いブランドほど、ブランドの普通と平均との差が少なくて “より普通を理解している” と言えます。
ブランド名 | デザインの普通さ | 生地と糸の普通さ | 洗濯記号の妥当性 |
GU | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
無印良品 | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
ユニクロ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
SUIT SELECT | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
BRICK HOUSE | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
ORIHICA | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
ONLY | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
THE SUIT COMPANY | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ |
P.S.FA | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
AOKI | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
TAKA-Q | ★★★ | ★ | ★★★★ |
洋服の青山 | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
Maker’s Shirt 鎌倉 | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
デザインの普通さ
一番普通なデザインのシャツを勧めてきたブランドは「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」です。
「普通の」形態安定シャツが欲しいと伝えた時、店員がお勧めするデザインに違いがあるのかを比較します。
デザイン
ブランド名 | 衿 | 前身頃 | 後身頃 | ポケット | 袖 | カフス |
GU | レギュラー BD |
オモテ前立 +芯 |
オモテ箱 L付 |
小丸 | 外2タック | S小丸 +Aボタン |
無印良品 | ワイド 折KP抜差 |
ウラ前立 +芯 |
ダーツ +Sヨーク |
中丸 | 外1タック | S曲中丸 +Aボタン |
ユニクロ | ワイド 切KP抜差 |
オモテ前立 +芯 |
サイド | 小丸・斜 | 外2タック 内1タック |
S小丸 +Aボタン |
SUIT SELECT | ワイド 折KP抜差 |
ウラ前立 | 無し | 小丸・斜 | 外1タック | S小丸 +Aボタン |
BRICK HOUSE | レギュラー 折KP抜差 |
オモテ前立 +芯 |
無し | 大丸・斜 | 外1タック | C中丸 +Aボタン |
ORIHICA | ワイド 縫KP |
オモテ前立 +芯 |
無し | 中丸・斜 | 外1タック | C曲中丸 +Aボタン |
ONLY | レギュラー 折KP抜差 |
ウラ前立 | サイド | 小丸 | 外2タック | C角落 +Aボタン |
THE SUIT COMPANY | ワイド 折KP抜差 |
ウラ前立 +芯 |
ダーツ | 小丸・斜 | 外2タック | S中丸 |
P.S.FA | セミワイド 縫KP |
ウラ前立 | 無し | 小丸 | 外1タック | C曲中丸 +Aボタン |
AOKI | セミワイド 縫KP |
オモテ前立 +芯 |
サイド | 小丸 VST |
外2タック | C小丸 +Aボタン |
TAKA-Q | ワイド 縫KP |
オモテ前立 +ダーツ |
ダーツ | 角落 VST |
外1タック | C中丸 +Aボタン |
洋服の青山 | セミワイド 縫KP |
ウラ前立 +芯+ST |
ダーツ +Sヨーク |
角落 | 外1タック | C角落 +Aボタン |
Maker’s Shirt 鎌倉 | セミワイド 折KP抜差 |
ウラ前立 | ダーツ | 無し | 外2タック | S曲中丸 |
上記の表から、今回試験するシャツの「普遍性」を探ります。
- 衿
- レギュラーカラー:剣先が7cm前後、剣先の開く角度が70~90度程度の、ごく一般的なシャツの衿型です。
- セミワイドカラー:レギュラーよりも剣先が開いているがワイド程は開いていない衿で、剣先の開く角度が80~110度程度の衿型です。
- ワイドカラー:レギュラーよりも剣先が開いている衿で、剣先の開く角度が100~140度程度の衿型です。
- ボタンダウン:身頃に縫い付けたボタンで、衿の剣先を留め付ける仕様です。
- カラーキーパー:衿の剣先を補強する硬い板を入れる仕様で、縫い込むタイプと、抜き差しできるタイプがあります。
- デザイン名称から「レギュラーカラー」が最も普通と言えます。
仕様には、カラーキーパーを抜き差しできるタイプが多く、その中でも羽衿のウラを切り込まずに作れる「カラーキーパー着脱可能・折り込み式」の仕様が主流の様です。
数だけで言うと「ワイドカラー」が多いですが、衿は「レギュラーカラー」が最も普通で、その中でも「カラーキーパー着脱可能・折り込み式」が一番普遍的です。 - 前身頃
- オモテ前立て:前中心に帯状のパーツがある様に見える縫製仕様です。
- ウラ前立て:前中心に帯状のパーツがみえない縫製仕様です。
- デザインは「ウラ前立て・前ダーツ無し」が多いです。
仕様には、7社中4社が芯を貼っていないことから、「芯無し・ステッチ無し」が主流の様です。
ただし、内1社が比較対象用の普通の綿シャツのため、形態安定シャツだけに限ると6社中3社となり半々のため、断言するにはサンプルが不足しています。
若干割合が高いことから、前身頃は「ウラ前立て・前ダーツ無し・芯無し・ステッチ無し」が一番普遍的です。 - 後身頃
- ノータック:ここでは「無し」と表記しています。
後身頃にタックもダーツも何もない状態です。 - ダーツ:ウエスト部分を絞るために縫いつぶします。
男性用シャツでは、腰の丸みにシャツを沿わせるために、背面だけに配することが多いです。 - サイドタック:肩甲骨付近に、動きのあるひだを作ります。
腕の動きに合わせて、若干のゆるみになります。 - オモテ前立て:後中心に箱状に見える様に動きのあるひだを作ります。
動きに合わせて、若干のゆるみになりますが、デザインとしての意味合いが強いです。 - ヨーク:肩付近で切りかえられているパーツです。
基本的には「わ」で裁断しますが、真ん中で割る「スプリットヨーク」というデザインもあります。 - デザインは「ダーツ・ヨークわ取り」が多いです。
ただし、内1社が比較対象用の普通の綿シャツのため、形態安定シャツだけに限ると13社中4社が「ダーツ」「無し(ノータック)」となり同数のため、断言するにはサンプルが不足しています。
体型に沿わせたい場合は「ダーツ」、ケアの容易性を高めたい場合は「ノータック」という使い分けが考えられます。
若干割合が高いことから、後身頃は「ダーツ・ヨークわ取り」が一番普遍的です。 - ポケット
- デザインは丸底が多く、1.5cmR前後の丸みの「小丸」が多いです。
ポケット口が傾斜しているデザインや、ポケット自体が傾斜しているデザインも多くありますが、全体的には「傾斜無し」が多いです。
ポケット口の端処理は「三つ折り+ステッチ」が多いです。
芯地を入れない分、完三つで処理をしている割合が高いです。
これらのことから、ポケットは「小丸・完三つ+ステッチ」が一番普遍的です。 - 袖
- タックは「外タック1本のみ」が多いです。
僅差ですが、袖は「外タック1本のみ」が一番普遍的です。 - カフス
- シングル幅・シングルカフス:折り返しのないボタン留め専用の縫製仕様です。
- シングル幅・コンバーティブルカフス:折り返しのないカフリンクス留めを、ボタン留めと兼用できる様にした縫製仕様です。
- アジャスタブルボタン:ボタン留めの時、袖口の締め具合を調整できるボタンを追加する仕様です。
- デザインは丸型カットが多く、3.0cmR前後の丸みの「中丸」が多いです。
カフスとポケットのデザインを合わせることが一般的なため、ポケットに丸型が多いことから、カフスも丸型が多いです。
コーンカフスも数点ありますが、基本的には矩形(くけい)の角を丸くカットしただけの形状が多いです。
仕様には、シングルカフスとテニスカフスを兼用できる「コンバーティブルカフス」が多いです。
調整用として「アジャスタブルボタンあり」が多いです。
これらのことから、カフスは「コンバーティブルカフス・中丸・アジャスタブルボタンあり」が一番普遍的です。
これらをすべて満たすブランドは今回の試験に使用したシャツの中にはなく、同率一位も多いことから、スーツを着用したときに見えることが多いデザインを優先し、「衿」「前立て」「カフス」の3種で比較しました。
その結果、今回の試験に使用したシャツの中で特に普遍的だったブランドは「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」「ONLY」の2社です。
この「普遍性」の結果に、弊社で判断した「形態安定性に対する整合性」と「TPOの妥当性」を加味して平均値を求めだします。
- 形態安定性に対する整合性
- 形態安定に適しているか、また、仕様の構造と用途が正しいかなどを、減点方式で評価します。
今回は、「形態安定シャツとして、違和感のある構造はないか?」を重視した評価をします。
弊社独自の評価基準のため、細かな評価基準は記載しません。 - TPOの妥当性
- 状況や注文に対して適切な返答が返ってきているかを、減点方式で評価します。
今回は、「ビジネス用のシャツとして、普通のデザインと言う注文から逸脱していないか?」を中心に判断します。
弊社独自の評価基準のため、細かな評価基準は記載しません。
デザインの「普通さ」
ブランド名 | 普遍性 | 整合性 | 妥当性 |
GU | ★★★ | ★★★ | ★★ |
無印良品 | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
ユニクロ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
SUIT SELECT | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
BRICK HOUSE | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
ORIHICA | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
ONLY | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
THE SUIT COMPANY | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
P.S.FA | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
AOKI | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
TAKA-Q | ★★★★★ | ★★★ | ★ |
洋服の青山 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
Maker’s Shirt 鎌倉 | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ |
これらの結果より、今回の試験に使用したシャツの中で、一番普通なデザインのシャツを勧めてきたブランドは「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」と判断します。
生地と糸の普通さ
13社中10社が、通年用としてごく普通な生地を勧めてきました。
「普通の白い」形態安定シャツが欲しいと伝えた時、店員がお勧めするデザインに違いがあるのかを比較します。
- 生地の簡易説明
- ブロード:平織のなかで、ごく一般的な生地です。
タテ糸1本に対して、ヨコ糸1本を交互に織ります。 - オックス:オックスフォードと言う、やや厚みがあるが通気性もある平織の生地です。
タテ糸2本引き揃えに対して、ヨコ糸2本引き揃えを交互に織ります。 - ピンオックス:糸1本あたりの太さが、通常のオックスフォードよりも細い平織の生地です。
糸が細いため、通常のオックスフォードよりも見た目が平滑になり、上品な光沢を出しやすい生地です。
糸の太い順に、オックス > ピンオックス > ロイヤルオックスと名前が変わります。 - ネル:やや起毛していて斜めに畝(うね)が浮き出る、斜文織の生地です。
冬用の素材として用いられることが多いです。 - ヘリンボーン:ニシンの骨(Herring Bone)に似た柄が浮き出る、斜文織の生地です。
日本では杉の葉に見立てて「杉綾・すぎあや」と呼ばれています。
生地
ブランド名 | 主生地 | 副生地 | ステッチ | ボタン | ボタン穴 |
GU | 白・ピンオックス | – | 同色 | 白系 | 同色 |
無印良品 | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
ユニクロ | 白・ピンオックス | – | 同色 | 白系 | 同色 |
SUIT SELECT | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
BRICK HOUSE | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
ORIHICA | 白・ネル・薄手 | – | 同色 | 白系 | 同色 |
ONLY | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
THE SUIT COMPANY | 白・ネル | – | 同色 | 白系 | 同色 |
P.S.FA | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
AOKI | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
TAKA-Q | 白・ヘリンボーン | 白×青・ブロード | 表地同色 | 白系 | 青グラデーション |
洋服の青山 | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
Maker’s Shirt 鎌倉 | 白・ブロード | – | 同色 | 白系 | 同色 |
「ブロード」「ピンオックス」に関しては、見た目が平滑で、普通の生地と言うのに適しています。
そのため、ほとんどの企業が「普通の白い生地」と言う注文に対して「白・ブロード」をお勧めしてきました。
柄のある「へリンボーン」は、普通の生地と言う注文にはやや適していません。
また、詳細を聞かれた際に「通年用」と答えていることから、「ネル」も適していません。
上記のことから、より普通の白い生地を勧めてきたブランドは、無印良品 / SUIT SELECT / BRICK HOUSE by Tokyo Shirts / ONLY / P.S.FA / AOKI / 洋服の青山 / Maker’s Shirt 鎌倉 の8社です。
洗濯ケアラベル
洗濯ケアラベルとは、その商品に対してどのような取り扱いをしたら良いかを、分かりやすく説明したものです。
一般的には、シャツの場合は下前立てに縫い込み、その他の上衣の場合は左脇に縫い付けることが多いです。
洗濯の表示記号とは
2014年、JIS規格「L 0001 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法」と言う、家庭洗濯及びクリーニングを行う際の繊維製品の取り扱い表示記号が、新たに作り直されました。
今までの日本国内向けの記号とは違うため覚え直しが必要ですが、国外に対しての販売強化のために世界基準に合わせて作り直されました。
表示する内容は、洗濯・漂白・乾燥(タンブル・自然)・アイロン・クリーニング(ドライ・ウェット)の5種7項目です。
図を表示する順番も、上記の通りです。
一般的には、製品にケアラベルを縫い付けて表示します。
ケアラベルに表示して縫い付ける際は、「読み取れる大きさであること」「洗っても消えないこと」「縫い込まないこと」などの規則も定められています。
洗濯記号の妥当性
最も形態安定シャツの洗濯方法に適しているのは「AOKI」です。
形態安定シャツを求めるお客様の生活スタイルに、洗濯記号が適しているのかを検討します。
そのため、商品に洗濯記号が合っているかではなく、形態安定シャツとして洗濯記号が適しているのかを判断します。
洗濯記号
ブランド名 | 洗濯 | 漂白 | 乾燥 | アイロン | クリーニング |
GU | 40℃・弱 | 禁止 | タンブル禁止 日陰吊り干し |
150℃ | 石油系・弱 |
無印良品 | 40℃・弱 | 酸素系のみ | タンブル禁止 日陰吊り干し |
110℃ スチーム無し |
パークロ ウェット |
ユニクロ | 40℃・弱 | 酸素系のみ | タンブル禁止 日陰吊り干し |
150℃ | 石油系・弱 |
SUIT SELECT | 40℃・弱 | 禁止 | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | パークロ・弱 |
BRICK HOUSE | 40℃ | 酸素系のみ | タンブル低温 – |
150℃ | 石油系・弱 |
ORIHICA | 40℃・弱 | 禁止 | – 日陰吊り干し |
150℃ | – |
ONLY | 40℃・弱 | 禁止 | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | パークロ・弱 |
THE SUIT COMPANY | 40℃・弱 | 酸素系のみ | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | – |
P.S.FA | 40℃・弱 | 禁止 | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | パークロ・弱 |
AOKI | 40℃ | 酸素系のみ | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | – |
TAKA-Q | 40℃・弱 | 禁止 | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | 石油系・弱 |
洋服の青山 | 40℃・弱 | 酸素系のみ | タンブル低温 日陰吊り干し |
150℃ | – |
Maker’s Shirt 鎌倉 | 40℃ | 酸素系のみ | タンブル禁止 日陰吊り干し |
150℃ | ウェット |
形態安定シャツに適した洗濯記号を考察します。
今回試験したシャツの中で、洗濯ラベルが崩壊したのは「洋服の青山」のみでした。
洗濯を1度した時点で気が付いたため、洗濯1度目と洗濯10度目の写真を載せます。
ヨレやカスレなどは他社でもおきますが、ここまですぐに崩壊することは稀です。
そのため、この洗濯ラベルは基準を満たしていないと断言できます。
形態安定シャツを買うお客様は「自分で洗濯をするが、アイロンがけが手間なので省きたい」という希望から、形態安定シャツを選ぶものと考えられます。
気温や水温、体温を考えて「洗濯は40℃」まで耐えられれば問題ないです。
シワの発生や形態安定性の低下を危惧して「弱」を指定している企業も多いですが、日常着の洗濯は、水流の強弱を気にしないで済む方がより良いです。
手間はかけたくないが「清潔感を損ないたくない」ことから、防臭・防汚などにも関心があると考えられます。
生地や芯地の変性から、塩素系漂白剤は使用できないことが多いため、防臭効果のためにも「漂白は酸素系」だけでも良いので、使用できることが好ましいです。
また、洗濯後の殺菌作用から天日に当てることが好ましいですが、こちらも日光による生地や芯地の変性から、天日干しが避けられていることが多いため、「日陰吊り干し」でも良いので、吊り干しが可能であることが好ましいです。
形態安定シャツの検査家庭にタンブル乾燥があることから、低温でも良いのでタンブル乾燥が出来ることが必須です。
家庭用の電気タンブル乾燥器を使用することを想定して、「タンブル乾燥は低温まで」以上であることが必要です。
また、ドライクリーニングには「タンブル乾燥」を含むため、ドライクリーニングが可能なのにタンブル乾燥が不可能なのは整合性がとれません。
ウェットクリーニングに関してはタンブル乾燥を含んでいないため、タンブル乾燥が禁止でも整合性に関しては問題ないです。
スーツから見える部分だけは「だらしなく見られたくない」ことから、衿とカフスにだけは軽くアイロンをかけることもあると思います。
形態安定加工を施してはいますが、綿素材のため「アイロンは150℃」まで可能な方が良いです。
毎回クリーニングに出すのであれば、アイロンの手間などは初めから考えない可能性が高いです。
そのため今回は、クリーニングに関しては不問です。
・洗濯を手間と思う人が、0.1~0.2cm程度で書かれたケアラベルの付記をすべて読むことは考えにくいため、付記を無視し、洗濯記号にのみ従うことを想定します。
以上のことを基準として評価したところ、今回試験したシャツの中で最も形態安定シャツの洗濯方法に適しているのは「AOKI」です。
付記まで含んだ場合は「BRICK HOUSE by Tokyo Shirt」も同じ評価なのですが、今回の「洗濯記号のみで評価」という評価形式の中では、評価は下がります。
まとめ
形態安定シャツとして最も普通なのは「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」です。
デザインがより普通(普遍性・整合性・妥当性)なのは「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」、
形態安定シャツの洗濯記号がより普通なのは「AOKI」です。
両社とも同じ様に「普通」ですが、デザインに関する普遍性・整合性・妥当性を分けた時に、若干ですが「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」が上回ります。
そのため、今回の「普通」と言う注文に対して、最も適した「普通」を勧めてきた企業は「BRICK HOUSE by Tokyo Shirts」です。
「普通」に対する評価一覧
ブランド名 | デザインの普通さ | 生地と糸の普通さ | 洗濯記号の妥当性 |
GU | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
無印良品 | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
ユニクロ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
SUIT SELECT | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
BRICK HOUSE | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
ORIHICA | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
ONLY | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
THE SUIT COMPANY | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ |
P.S.FA | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
AOKI | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
TAKA-Q | ★★★ | ★ | ★★★★ |
洋服の青山 | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
Maker’s Shirt 鎌倉 | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
普段よく使われている「普通」と言う言葉に対して、細かく考察をすることはあまりないと思います。
ただ、十人十色で、みんなそれぞれの「普通」があることが分かっていただけたと思います。
次は「各ブランドごとの形態安定シャツ」を分析します。
ぜひ読んでみてください。
コメント