社会人として働きながらパタンナーへの就職を目指す人もいるかと思います。
そこで今回は、独学でパタンナーになるためにオススメの本 を紹介します。
独学向けの教科書
教科書の中身を実際に確認してから購入したい人は、文化服装学院の購買部に行くか、紀伊國屋書店 新宿本店のような大きな本屋に行ってみてください。
※ 文化出版の本は、文化の日に文化服装学院で行われる文化祭で安く売られていることがあるので、併せてご確認ください。
基礎学習の教科書
パタンナーになるために独学で勉強をするのであれば “文化服装学院の教科書” を使用しましょう。
なりたいパタンナー像によっても少し変わりますが、基本的には “服飾造形” に関する教科書で勉強しましょう。
基本的には日常着とスーツのパターンが引けるようになればOKです。
就職活動時に高級素材や難素材を使うことは稀なため、専門性の高い特殊な分野を目指さない人は基礎を固めましょう。
CADの教科書
パタンナーに就職するためにはCADスキルがほぼ必須です。
そのため、独学で勉強する必要があります。
ただしこれはツールの使い方の問題だけなので “CADメーカーの公式テキスト” を使用しましょう。
仕事にCADスキルが必須とはいえ、就職時の試験は手引きの方が圧倒的に多いです。
そのため、実務での運用に関しては就職してから学べばOKです。
また難しいことができるようになる必要はなく、手と同じ動作が素早く画面内に反映できればOKです。
あくまで製図をするためのツールのため、難しく考え込まないでください。
CADを独学で勉強をするのにオススメのメーカーは “東レACSのパターンマジックⅡ” です。
業界シェアがとても高く、学生の多くがこれで学んでいます。
まずはこの2D-CADを使いこなせるようになりましょう。
ドレーピングの教科書
多くの人が独学で一番初めにぶつかる壁が “ドレーピング” だと思います。
仕事ではイチから組むことはほぼないのですが、就職試験には必ずといっていいほどでてくるので、しっかりと対策をしなくてはなりません。
立体的な作業のため、文字ベースの理論だけでは限界があります。
そこで、実技の勉強には立体を起こす工程が細かに載っている ”ドレーピング” という本がオススメです。
この本は、ドレーピングの事を細かく解説した本です。
写真や図が分かりやすく、初心者でも感覚的に理解ができると思います。
ただし翻訳部分に難があることもあり、理論分野は別の参考書をオススメします。
理論の勉強には ”パターンメーキング検定の公式テキスト” がオススメです。
この検定は、服飾専門学生がしっておくべき服の製図についての習熟度をはかる検定です。
3級が専門1年生レベル、2級が専門2年生レベルの内容だと思ってください。
これを元に勉強することで、専門学校で教えたい基礎的な内容がどういうものなのかが分かります。
就職試験の対策にもなるため、この検定の2級を受験することをオススメします。
テキスタイルの教科書
就職試験にテキスタイルの細かな知識は必要ないことが多いですが、仕事では必ず必要になります。
そのため、やはり勉強しておく必要があります。
テキスタイルは、素材特性や糸の撚りなどの理論分野も重要ですが、多くの生地に触れることがとても大事です。
そのため、実物の生地を貼り付けたタイプの “テキスタイルハンドブック” や “TEXTILE FABRIC INDEX” などがオススメです。
紙だけの本と比べて値段が高く、手に入りにくいのが難点です。
ただしそれだけの価値はあるため、実物の生地を貼り付けたタイプの本を手に入れましょう。
その他(デザイン・色彩・ビジネス・服飾史など)
デザインは就職活動の試験には関係ないですが、ポートフォリオづくりには関係します
基本的な人物デッサンの本と、ファッションアイテムの書き方の本を買って勉強しましょう。
パタンナーに必要な程度のデッサンスキルであればどの本でも容易にクリアできるため、自分が良いと思ったものを購入しましょう。
色彩の学習には “色彩検定の公式テキスト” がオススメです。
3級が高校生レベル、2級が専門1~2年生レベルの内容だと思ってください。
色彩も就職活動の試験には関係ないですが、企画や販売を行う際にとても重要です。
また、ポートフォリオづくりにも活きてきます。
そのため早い段階で3級の基礎的な部分は習熟しておき、あとから2級を理解しましょう。
ビジネスも就職活動の試験には関係ないことが多いですが、他の勉強に関連することも多いため一緒に勉強しておきましょう。
ビジネスの学習には “ファッションビジネス能力検定の公式テキスト” がオススメです。
この検定は先ほどのパターンメーキング検定と同様に、服飾専門学生がしっておくべき服の商売についての習熟度をはかる検定です。
技術・企画職であれば、基礎である3級を勉強すれば事足ります。
いずれ必要になるため、他の勉強と並行して習得しましょう。
これは就職してからもほとんど使用することはないため、後回しにしても良いと思います。
ただし、ロリータファッションや舞台衣装などの特殊衣料を目指している方は、事前に勉強しておいた方が良いと思います。
カラーの写真や図解が豊富な方が分かりやすいですが、値段が高くなります。
自分が思う重要度に合わせて購入しましょう。
まとめ
CADに関しては “CADメーカーの公式テキスト” を使用しましょう。
その他の学習に関しては “服飾専門学生がよく取得している資格検定の公式テキスト” を利用しましょう。
古い本だと内容が変化することもあるため、教科書や資格検定テキストなどは最新のものを購入しましょう。
最後に、服飾専門学生に差をつけるための本を1冊紹介します。
それは “JIS 31 繊維” です。
工業製品を扱う人にとってJIS(日本工業規格)はとても重要な読み物ですが、専門学生の多くは読みません。
社会人としての意識を示すためにも、プロに必要な知識を身につけておきましょう。
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