ゲームエフェクトのための【魔法陣の作り方 と 考え方】

VFX & 3DCG

日本のゲームでは、魔法と魔法陣がセットで扱われることが多いです。
(海外の場合は、召喚陣として使われることの方が多いです。)

このページでは、意味を持った魔法陣の考え方と作り方の一例を、以下の動画用に作った資料をもとに紹介します。

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魔法使用時の状況を固める

まずは大枠の設定をおこないます。
今回は「自分が魔法を使えるようになったらどんな攻撃魔法を使いたいか?」を考えました。
それを魅力的なゲームエフェクトに仕上げるためにはどうしたら良いかを考え、以下の設定を決めました。

このように設定を行うことで自由度は減りますが、具体的に細かな部分を考えやすくなります。

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フォントを作成する

フォントを作成するために、まずは世界観から考えていきます。

異世界転生ものには現世をメタ情報として使用するものが多いため、設定に組み込みました。
ファンタジー感を出すのであれば日本語よりも英語の方が適していると思い、今回はアルファベットを魔法フォントに使用することにしました。

次に使用状況から考えていきます。

魔法陣は紙や地面などの物質にも描きますが、今回は空中に描くことを想定します。
指先に力を込めて魔法陣を描く場合、一筆書きで書けるフォントの方が使いやすいと思いました。
ただし日常生活にも文字を書くシーンはあるので、誤爆防止のために筆記体とは違ったフォントにしようと考えました。

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小魔法陣の構成を考える

まずは小魔法陣の構成を考えます。

小魔法陣はクイックに発動する魔法陣を想定しています。
難解な作り方だと3属性の同時展開などの複合技ができないと思い、できるだけシンプルな構成にしました。

属性イメージは、フォントに合わせて一筆書きで書ける形にしました。

魔法名は、ゲームのタイトルと魔法の効果やイメージを混ぜて作りました。
そのうえで、すべての小魔法陣の文字数を12文字にあわせました。

属性イメージにも通じることですが、絵の複雑性や文字数を合わせることで書き込みスピードのムラを抑えやすくなると考えました。

12文字にした理由のひとつは、円形に沿って文字を配置するので360の約数にすれば扱いやすいと思ったからです。
もう一つの理由は、魔法名の候補出しをしてときに360の約数のうち12に集めやすかったからです。

雷属性魔法の決め方
足止め攻撃が欲しい → パラライズ
近い音のゲームタイトル → パラパラパラダイス
これらを混ぜ合わせて、雷属性魔法は相手をマヒさせる【パラパラパラライズ】
文字数がオーバーするので、倍数でまとめたり “_(アンスコ)” で間隔を埋めたりして文字数を合わせました。
氷属性魔法の決め方
遅延攻撃が欲しい → フリーズ / スロウ / ・・・クラッチ
近い音のゲームタイトル → アイスクライマー
これらを混ぜ合わせて、氷属性魔法は相手をつららで突き刺して拘束する【アイスクラッチャー】
炎属性魔法の決め方
高火力攻撃で焼き尽くしたい → エクスプロージョン / ボルケーノ ・・・?
属性イメージの強いゲームタイトル → ファイアーエムブレム
ゲームタイトルから攻撃に合う単語を探して、炎属性魔法は劫火で焼き続ける【ファイアーエンドレス】
ただし炎属性の魔法陣に書かれている文字はプログラムのため、魔法名は出てきません。
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大魔法陣の構成を考える

まずは大魔法陣の構成を考えます。

ここで、はじめに作った設定資料を持ってきます。

もし自分が高火力の魔法を使うとしたらどうするのかを考えました。
おそらくはチャージ中に大きなスキをつくらない魔法にするか、逃げながらでも使える魔法にすると思います。

小魔法陣であれば発動までに必要なエネルギー量は少ないため、スキは少なく済むと思います。
併せて、発動の速い雷と氷の攻撃で相手をけん制することで、逃げながらでも大魔法陣を展開することができます。

次に、ゲームをプレイする側の視点にたって考えてみます。
大魔法陣の展開時間が長くて単調だと飽きてしまうため、そうならないための対策を考えます。

まずは、攻撃のテンポをつかみます。

まず、イメージした攻撃を簡単な絵コンテのようなものに起こします。
それを見ながら「シュッ」「ガガガガ」「フォンッ」と自分の口で擬音を付けて、より強くイメージします。
次に、ストップウォッチで擬音の発動タイミングのラップタイムを計ります。
このタイムバランスを使用して、エフェクトに肉付けをしていきます。

合計時間を短くするときでもこのバランスを保てば、自分のイメージから大きく外れることはなくなります。
また時間を意識し続けることで、無駄に長いシーンが発生しにくくなります。

次に、エフェクトで明暗や緩急をつけていきます。
常に色々なものが光っているため、そのシーンでは誰が主役なのかを考えながら調整していきました。

最後に、動きに意味を持たせます。
大魔法陣を構成するにあたり、意味の部分をしっかりと考えました。

大魔法陣を構成する手順としては、
小魔法陣でマーキングして発動 → エネルギーをため込みつつ大魔法陣を展開 → 最大火力の攻撃 という流れになります。

このエネルギーの溜め込みかたを光のサイズや速度だけに頼ってしまうと、単調なエフェクトになってしまう危険性があると感じました。
そのため溜め込むエネルギーに意味を与えて、エフェクトの表現数を増やしました。

まずは小魔法陣をクリリンの気円斬のように地面に投げつけて、マーキングと大魔法陣の展開を始動をします。

効率的な燃焼を促すために気流を発生させ、F型のエアタービンで方向をコントロールさせます。
またエアタービンの中を通して、以降に収集するエネルギーを外側から中心部分に送り続けます。

魔法陣が完成すると、魔法陣が立体的に展開すると同時に少量の炎が漏れます。
その直後に周囲のエネルギーを圧縮し、最大火力の攻撃が開始します。

このように構成することで 火花・エネルギー体・すす・炎などを発生させることができ、ただ光るだけの単調なエフェクトを回避しやすくなると考えました。

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まとめ

魔法陣の作り方の一例を紹介しましたが、理解いただけたでしょうか?
単純な絵作りだけでなくストーリー仕立てにすることで展開が思いつきやすく、ウラ設定資料としての面白さも加味されます。

就活ポートフォリオなどでは裏付け資料としても使えるため、ぜひ試してみてください。

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