ゲームエフェクトの就活ポートフォリオの魅せ方

VFX & 3DCG

わたしが過去に使用した就職活動用ポートフォリオを用いて、動画や資料作成のポイントを紹介します。
ただし、守秘義務の関係で就業先に関する情報や反応などは書けませんのでご了承ください。

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表現力を見せるエフェクト

このページでは説明のために動画を3つに分解していますが、本来は1つの動画にまとめています。
【開始15秒で興味を惹く】【1~2分で見終わる動画にまとめる】という2点を念頭に置き作成してください。

エフェクトデザイナーを採るうえで着目されやすい点は、エフェクトの表現力とゲームエンジンの扱いです。
そのため、見栄えが良くボリューム感のあるものを作り 動画のはじめに載せましょう。

ユニークスキル2の動画作成コンセプト

ユニークスキル2では、魔法攻撃を通じて光や属性の表現力をアピールすることを目的とします。
見栄えがでるようにしっかりと発光感を出しつつも、安易に光に頼りすぎないように製作します。

3属性魔法攻撃 の動画
ユニークスキル2の補助資料

口頭説明ではうまく伝わり難い部分をPDFにまとめて、補助資料として添付しました。

↑ 伝えたい文字は “白” にして目に残りやすくし、読める程度に暗くした “オフ白” で補助説明を記載しています。

以下の3属性の資料は、イメージが伝わりやすいように属性単体で撮り直しています。

Q. 資料作りのポイントは?

フォントや魔法陣の構成は口頭説明だけでは難しいため、補助資料としてまとめています。

Q. 作成時の留意点は?

1ページあたり 5~10秒程度で伝わるように作ります。
細かな説明を含めても20秒程度で読み終えることができるようにまとめましょう。

Q. どんな質問が想定できる?

「Q. 魔法陣はイチから自分で作ったものですか?」という質問が想定できます。
このように口頭だけでは説明しづらいものは、あらかじめ補助資料としてまとめておくとスムーズに伝わります。

Q. 資料から割愛した部分は?

フォントの作成手順などのエフェクトに直結しない部分は、必要最低限に圧縮しています。
エフェクトに関係のない情報が多いと資料の方向性がブレてしまうので注意しましょう。

魔法の構成手順なども詳しく載せる必要はないです。
説明パートは文字数が多くなりやすく読むのが煩雑なため、ただの自己満足にならないように注意しましょう。

おまけ動画

属性を単体で撮ったものをスロー再生した動画です。

ゲームエフェクトのための【魔法陣の作り方 と 考え方】
日本のゲームでは、魔法と魔法陣がセットで扱われることが多いです。 (海外の場合は、召喚陣として使われることの方が多いです。) このページでは、意味を持った魔法陣の考え方と作り方の一例を、以下の動画用に作った資料をもとに紹介します。 ...
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メッシュ制作力を見せるエフェクト

ユニークスキルは、表現力・構成力・技術などを複合的にアピールすることができます。
特定の企業に送るためにテイストを集約させるのも良いですが、自身の技術を効率的に見てもらうために構成するのもひとつの手です。

種目 スキル1(サブ) スキル2(メイン)
コンセプト メッシュ制作力を見せる 表現力を中心に見せる
テーマ コミカルな物理攻撃 光で表現する魔法攻撃
キャラ SD ユニティちゃん(ミニキャラ) ユニティちゃん
テイスト アニメ調(セルルック混合) リッチ

上記のように対比を作ることで、短い時間の中で多くの情報を伝えることができます。

ユニークスキル1の動画作成コンセプト

ユニークスキル1では、攻撃オブジェクトを通じてメッシュ制作力を見せることを目的としています。

実物と形を似せることで空間把握能力をアピールしたり、ユーズド感のあるテクスチャを作成することで理解力やデッサン力をアピールしたりすることができます。

エフェクターのメインの業務ではないですが、スタティックメッシュを作れることは安心材料のひとつとしてアピールすることができます。

ユニークスキル1の動画
ユニークスキル1の補助資料

動画で説明できない部分を、PDFにまとめて補助資料として添付しました。
ユニークスキル2との切り替わりが伝わりやすくなるように、背景色をグレーに変更しています。

↑ 伝えたい文字は “白” にして目に残りやすくし、読める程度に暗くした “オフ白” で補助説明を記載しています。

↑ 安全性への配慮なども考えられるという点をアピールしています。
ただし エフェクトに直接関係するものではないため、説明がくどくならないように注意してください。

Q. 資料作りのポイントは?

エフェクト以外の事は質問されにくいため、制作コンセプトなどを簡潔に伝えられるようにまとめておきます。

Q. 作成時の留意点は?

1ページあたり 5~10秒程度で理解できるように作ります。
そのため パッと見で文字が頭に入ってくるようなサイズや色で記載します。

Q. どんな質問が想定できる?

エフェクト全体に対する質問の流れで「Q. モデル・モーションやシェーダーは自分で作ったものですか?」という質問がくることが想定できるが、あえて資料には明記しません。

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基本的なエフェクト(スラッシュ&ヒット)

スラッシュ&ヒットは、ゲームによく出てくるエフェクトのひとつです。
そのため、基礎的なことを理解しているかどうかを見てもらうのに適している題材です。

ただし 技術をアピールするようなものではなく、「普通の事なら普通にこなせます」という安心をあたえるためだけの補助的なものだと考えてください。

スラッシュ&ヒットの動画作成コンセプト

カタログのように一定角度から撮影したものを並べても良いですが、キャラクターの動きにあわせてエフェクトを焚いた方が効果的に魅せることができます。
そのため、属性付きの3段攻撃を演武形式でまとめています。

動きが一定だと手抜きに見える恐れもあるため、ターゲットの素材を変えて破砕方法を変えたり、キメの攻撃を変えたりして単調さを回避しています。

また、より伝えやすくするためにキャラクター自身に属性色をつけるのも効果的です。

スラッシュ&ヒットの動画
スラッシュ&ヒットの補助資料

動画で説明できない部分を、PDFにまとめて補助資料として添付しました。

Q. 資料作りのポイントは?

スラッシュ&ヒットは基礎的なもののため、ほとんど話題に上がりません。
そのため、動画と補助資料でほぼ完結できるようにまとめてください。

Q. 作成時の留意点は?

1ページあたり 3~5秒程度で流し見されることを想定して作ります。
そのため、エフェクトの角度やページの構成を一定にそろえて一瞬で理解できるようにまとめてください。

Q. どんな質問が想定できる?

「Q. どんなイメージでつくりましたか?」という疑問に対応するために、【作成時の簡潔なイメージ】と【イメージのための表現方法】を記載しておくと意図が伝わりやすいです。

その他(おまけ動画)

上記の補助資料作成用に、カメラ位置を固定してカタログ形式で撮ったものです。

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まとめ

ポートフォリオ作成時の留意点は以下の通りです。

  • 一番見栄えのする動画を先頭に持ってくる
  • 1~2分程度で見終わる動画にまとめる
  • 補助資料は必要な情報だけを簡潔にまとめる

上記の他にも、誤字脱字や資料形式の不備などで減点されないように注意してください。

自己アピールするための商材なので盛りだくさんにしてしまいがちですが、見る側へ負担を強いる形になってしまいます。
短時間で自己アピールすることも仕事のうちと理解し、簡潔で効果的な資料を作成してください。

企業から追って資料を求められることもあります。
求められた資料は丸1日以内に送らないと効果が半減するため、モデル・デッサン・企画設定 などのカテゴリー毎にまとめた資料も別途用意しておきましょう。
使用したツール

ゲームエフェクトの作成に使用したツール
Unity / MAYA / Adobe(AfterEffects / Illustrator / Photoshop)

動画の作成に使用したツール
Adobe(AfterEffects / MediaEncoder)

PDFの作成に使用したツール
Google スライド / Adobe(AfterEffects)

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