【実務編】アセット制作の基準:キャラ性能から逆算するVFXの詳細度

Unity(デザイナー向け)

エフェクトの詳細度は、その世界の住人である「キャラクター」や「背景」の密度に比例します。
キャラクターが1万ポリゴンなのに、エフェクトだけで5万ポリゴン使ってしまえば、画面のバランスもパフォーマンスも崩壊します。

エフェクトアセットを作る際、最初に行うべきは「そのゲームの標準スペック」の確認です。
エフェクトは単体で存在するのではなく、キャラクターや背景と同じメモリ・描画リソースを奪い合って表示されるからです。

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前提となるプラットフォーム別のキャラクタースペック

まず、エフェクトの「基準」となるキャラクター1体あたりの一般的なリソース配分を見てみましょう。

プラットフォーム キャラ1体のポリゴン数(三角) 標準テクスチャ解像度
モバイル(中〜高スペック) 15,000 ~ 30,000 1024px ~ 2048px
Nintendo Switch 10,000 ~ 20,000 1024px
コンシューマ(PS5 / PC) 100,000 ~ 200,000+ 2048px ~ 4096px

この「キャラクターの密度」に対して、エフェクトがどれだけのリソースを割いて良いかを考えていきます。


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エフェクト用テクスチャのサイズ基準

キャラクターが2048pxのテクスチャを使っているからといって、エフェクトも同じサイズにする必要はありません。
エフェクトは「動く」「光る」「ボケる」ことが多いため、解像度を抑えても見た目への影響が少ないからです。

プラットフォーム 標準サイズ(FX単体) 最大サイズ(必殺技等)
モバイル / Switch 128px ~ 256px 512px / 1024px
コンシューマ(PS5等) 256px ~ 512px 1024px / 2048px
  • 補足:

    • 512pxを超えるサイズを使うのは、画面の大部分を覆う「フルスクリーンマスク」や、非常に精細な「魔法陣の主紋様」などに限定します。

    • ノイズテクスチャやディゾルブ用テクスチャは、メイン素材の半分の解像度(128px等)で十分なケースがほとんどです。


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エフェクト用メッシュ(mesh)のポリゴン数基準

メッシュエフェクト(斬撃の軌跡、結晶、破片など)は、キャラクターのポリゴン数と比較して「一時的に画面を彩るもの」として適切に抑える必要があります。

メッシュ1個あたりの詳細度

プラットフォーム 標準(三角ポリゴン) 最大(三角ポリゴン)
モバイル / Switch 100 ~ 500 1,500
コンシューマ(PS5等) 500 ~ 2,000 8,000
  • 判断基準:

    キャラクターの指一本の関節よりも細かいポリゴン割りをメッシュエフェクトに適用しているなら、それは「過剰」である可能性が高いです。


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同時発生時の「トータル負荷」を考える

エフェクトで最も怖いのは、メッシュ単体の重さよりも、 “パーティクルとして大量発生した時の合計値” です。

1エフェクトあたりの同時描画ポリゴン数目安

1回の爆発やスキル演出で、同時に画面に存在する全メッシュの合計値です。

  • モバイル / Switch: 合計 3,000 ~ 10,000 ポリゴン以内

  • コンシューマ: 合計 20,000 ~ 50,000 ポリゴン以内

【現場での回避策】

  • 1,000ポリゴンのメッシュを100個出すと、それだけで10万ポリゴンに達し、モバイル機では即座にFPSドロップや熱暴走を招きます。

  • “大量に出すもの(火花、雨、破片の山)” は、必ず 2ポリゴンの「ビルボード」または、極めて低ポリゴン(12〜24ポリゴン程度)のモデルを使用してください。


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まとめ:詳細度を割り出す「物差し」

実務で迷った時は、以下の物差しでアセットサイズを決定しましょう。

  1. テクスチャ: 「キャラのテクスチャの1/4の面積(縦横半分)」で十分綺麗に見えないか?をまず試す。

  2. メッシュ: 「このエフェクトは、画面内でキャラよりも目立つ必要があるか?」を問う。目立たないなら、キャラの腕一本分(数百ポリゴン)以下に抑える。

  3. 発生数: 個別の詳細度を上げるよりも、数を出す方がリッチに見える場合は、個別のポリゴン数を極限まで削る。

「贅沢にリソースを使う」ことよりも、 「限られたリソースで、キャラクターをより輝かせる」こと。
これがエフェクトアーティストに求められるプロのバランス感覚です。

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