Unityでデザインや3Dモデルのセットアップを行う際、これまでは『Built-in Render Pipeline(ビルトイン)』と『URP』、そして『HDRP』という複数の選択肢がありました。
しかし現在、Unityは『URP』を標準(デフォルト)とし、将来的に一本化していく方針を明確にしています。
「設定が複雑になるのでは?」と不安に思うかもしれませんが、デザイナーにとってはむしろ「表現の幅が広がり、効率が上がる」ポジティブな変化です。
何が変わり、いつから対応すべきなのか、ポイントを絞って解説します。
何が影響する?デザイナーの作業変化
最大の変更点は、”マテリアル” と “ライティング” の扱いです。
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シェーダーの作り方:
これまでのビルトインではコード(HLSLなど)を書く必要がありましたが、URPでは『Shader Graph』というノードベースのツールが標準になります。
プログラムが苦手なデザイナーでも、直感的にリッチな質感を作れるようになります。 -
ポストエフェクトの統合:
画面全体にフィルターをかける「Post-Processing Stack v2」などは不要になり、URP独自の『Volume』システムに統合されました。
一箇所でフォグ、ブルーム、色補正などを管理できるため、ルックデヴの効率が劇的に向上します。 -
既存アセットの互換性:
古いプロジェクトで作ったマテリアルは、URPに持ち込むと「ピンク色(エラー)」になります。
これを修正するための「コンバート作業」が必要になる点は注意が必要です。
いつから変わる?現在のステータス
実は「これから変わる」のではなく、既に「URPが主流」の時代に突入しています。
Unity 2021 LTS以降、新規プロジェクト作成時の推奨は明確にURPとなっており、Unity 6(旧称:2023 LTS)世代では、ビルトインパイプラインは「レガシー(旧式)」という扱いがより強まります。
今から新しいプロジェクトを始める、あるいはスキルを習得するのであれば、『URP』を選択するのが最も確実な選択肢です。
URP一本化による「良いこと」
デザイナーにとってのメリットは、単に「新しくなる」だけではありません。
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“一度作ればどこでも動く” の実現:
URPは、モバイル、PC、コンソール(PS5/Switch等)、VRまで、幅広いプラットフォームで動作するように設計されています。
デバイスごとにシェーダーを作り直す手間が減ります。 -
最新機能の恩恵:
新しく追加される視覚効果(デカール、高度なレンズフレア、VFX Graphとの連携など)の多くは、URP以降の環境でしか使えません。 -
「共通言語」ができる:
これまではプロジェクトによって「ビルトイン流」「HDRP流」とやり方がバラバラでしたが、URPに集約されることで、デザイナー同士のノウハウ共有がスムーズになります。
まとめ:デザイナーが今やるべきこと
「URP一本化」は、デザイナーのクリエイティビティを制限するものではなく、むしろ解放するための変化です。
まずは、普段使っているマテリアルを『Shader Graph』で再現してみることから始めてみましょう。
描画の仕組みがシンプルになることで、私たちは「技術的な設定」に悩まされる時間を減らし、「最高の絵作り」に没頭できるようになります。

