【第17回】「消える・現れる」の演出:ディゾルブ(Dissolve)編

Unity(デザイナー向け)

前回は、テクスチャを流して「動き」を作りました。
今回は、さらにドラマチックな演出として、物体がサラサラと砂のように消えていく 「ディゾルブ(Dissolve)」 表現に挑戦します。

敵を倒した瞬間、魔法が解けた瞬間、あるいはSF的なテレポートの表現……。
この「消滅エフェクト」をマスターすれば、あなたの作品の説得力はプロの領域に達します。


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ディゾルブの仕組み:「白黒の戦い」

一見複雑そうに見えるこの表現ですが、仕組みは驚くほど単純です。
デザイナーの皆さんなら、Photoshopの 「マスク」「2階調化」 をイメージしてください。

  1. 3Dモデルに、白黒のまだら模様(ノイズ画像)を貼り付けます。

  2. 「黒い部分から透明にする」というルールを決めます。

  3. その「黒い領域」を、時間の経過とともにじわじわと広げていきます。

これだけで、物体は不規則な形に侵食され、最終的に消滅して見えるのです。
この「じわじわ広げる」役割を担うのが、今回の主役 『Step(ステップ)』 ノードです。


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実践:ノイズを使って消してみよう

それでは、Shader Graphで「消滅のレシピ」を組んでいきましょう。

STEP 1:消え方の「模様」を用意する

まず、消え方のパターンとなる「ノイズ画像」を読み込みます。

  1. 『Sample Texture 2D』 ノードを作成します。

  2. 雲模様や砂嵐のような、白黒のノイズ画像をセットしてください。(Unity標準のノイズ素材でもOKです)

STEP 2:「境界線」を引く(Stepノード)

次に、どこまでを透明にするかの「境界線(ボーダー)」を引きます。

  1. 『Step』 ノードを作成します。

  2. 先ほどのノイズ画像の出力(RGBA)を、Stepノードの 『In(入力)』 に繋ぎます。

  3. Stepノードの 『Edge(境界)』 の数値を、0 から 1 の間で動かしてみてください。

👀 プレビューに注目! Stepノードのプレビュー画面を見てください。
数値を変えると、ノイズ画像がパキッと「完全な白」と「完全な黒」に二極化していくのが分かりますか?
これが「ここまで黒くするぞ」という境界線の移動です。

STEP 3:透明度と連動させる

最後に、この白黒の結果を「透明度」として使います。

  1. Stepノードの出力を、Master Stackの『Alpha』 に繋ぎます。

  2. さらに、Master Stackの設定(歯車アイコン)を開き、Surface TypeOpaque(不透明) から 『Transparent(透明)』 に変更します。

これで完成です!
Stepノードの Edge の数値をスライダーで動かせば、3Dモデルがサラサラと消えたり現れたりするはずです。


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デザイナーへの+α:もっとプロっぽく!

これだけだと単純に「透ける」だけですが、ここにもう一手間加えるのがプロの技です。

「消え際を光らせる(Emission)」 消えていく境界線を、燃え尽きるように光らせてみましょう。

  1. Stepノードの結果を少し加工して「境界線の部分だけ」を取り出します。
    (少し難しいので今回は割愛しますが、ノードを数個足すだけで可能です)

  2. その結果に「オレンジ色」などを掛け合わせ(Multiply)、Master Stackの 『Emission(発光)』 に繋ぎます。

これだけで、ただ消えるのではなく「燃え尽きながら消滅する」ような、リッチな表現に進化します。


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まとめ:仕組みは「2階調化」の応用だった

今回は、Shader Graphで「ディゾルブ表現」を作る方法を解説しました。

  • ディゾルブ は、難しい計算ではなく「白黒の陣取り合戦」。

  • ノイズ画像 が、消え方のパターンを決める。

  • Stepノード が、どこまで消すかの「境界線」を動かす。

この仕組みさえ理解すれば、「水が干上がるように消す」「デジタルなグリッド状に現れる」など、テクスチャを変えるだけで無限の演出が作れるようになります。

さて、次回はいよいよパーティクルとシェーダーを組み合わせた「まとめ」の回です。
これまでの知識を総動員して、自分だけのオリジナルエフェクトを作ってみましょう!

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