前回、影の中をうっすら明るくする「間接光」の大切さを学びました。
では、その間接光は一体どこからやってくるのでしょうか?
その答えの多くは 『Skybox(スカイボックス)』 にあります。
そして、その光が満ちる空間に「奥行き」を与えるのが 『Fog(フォグ)』 の役割です。
この2つをマスターすると、あなたの作る世界に一気に「広がり」と「感情」が生まれます。
Skyboxは「巨大な照明機材」である
デザイナーにとって、Skyboxは単なる「背景画像」ではありません。
3D空間全体を包み込み、あらゆる方向に光を投げかける 「巨大なドーム型のライト」 だと考えてください。
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背景としての役割: 遠くに見える空や雲を描く。
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照明としての役割: その空の色(青みや夕焼けの赤み)を、シーン内のすべての物体に反射・投影する。
デザイナーへのヒント:HDRIを活用しよう
よりリアルな質感を求めるなら、HDRI(高動的範囲画像) という形式の360度画像を使ってみましょう。
窓から差し込む鋭い光や、木漏れ日の柔らかな光など、実写のような複雑な色の情報をマテリアルの反射に写り込ませることができます。
Fogで「空気の厚み」をデザインする
どれほど遠くに山を置いても、空気が澄み切りすぎていると「おもちゃ」のように見えてしまうことがあります。
現実の世界にはチリや水分があり、遠くのものは白く霞んで見えるからです。
これを再現するのが 『Fog』 です。
Fogがもたらす2つの効果
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距離感(パース)の強調: 遠くのものを薄くすることで、空間の広大さを脳に認識させます。
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色の統一感: 遠くの景色をFogの色で塗りつぶすことで、空の色と地面の境目を馴染ませ、画面全体に一体感を出します。
実践:エモーショナルな空間を作る設定
設定は Window > Rendering > Lighting > Environment タブから行います。
ステップ1:空の色を決める
Skybox Material を差し替えてみましょう。
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青空: 爽やかでクリアな印象。
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夕焼け: ノスタルジックでエモーショナルな印象。
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夜空: 神秘的で静寂な印象。
ステップ2:Fogを有効にする
一番下の Other Settings にある Fog にチェックを入れます。
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Color: 空の色に近い色を選ぶのが、自然に見せるコツです。
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Mode: 初心者は
Exponential Squaredを選ぶと、自然な減衰(消え方)になります。 -
Density(濃度): ほんの少し入れるだけで劇的に変わります。入れすぎに注意しましょう。
クリエイティブな使い分け:料理の「盛り付け」のように
ライティングやフォグの設定は、料理でいえば 「お皿の上の空間作り」 です。
メインの料理(キャラクターや建物)を際立たせるために、あえて背景を霧でぼかしたり、空の色を少しだけ青くして清涼感を出したり……。
「何を見せたいか」という意図に合わせて、空気の濃度を調整してみましょう。
まとめ:世界は「光」と「空気」でできている
今回は、空間の個性を決定づける Skybox と Fog について学びました。
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Skybox は背景であり、シーンを照らす環境光の源。
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Fog は距離感を演出し、世界に一体感を与える。
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この2つの組み合わせで、プレイヤーの「感情」をコントロールできる。
これで、ビジュアル表現における主要な要素はほぼ出揃いました。次回からは第4章 「実践・アウトプット編」 へ。
あなたのデザインを「触れる体験」へと変えていく、UIアニメーションの世界へ飛び込みましょう!

