【第23回】光と影を操る:ライティングの基本(直接光と間接光)

Unity(デザイナー向け)

これまでの連載では、主に「動くもの(役者)」や「エフェクト(特殊効果)」に焦点を当ててきました。
しかし、どんなに素晴らしいモデルやVFXがあっても、それらを照らす「光」が不自然だと、画面全体が安っぽく見えてしまいます。

今日から始まる新章のテーマは 『ライティング』 です。

デザイナーにとってのライティングは、単に明るくすることではなく、空間の「奥行き」と「感情」をデザインする作業です。


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3D空間には「2種類の光」がある

現実世界を思い浮かべてください。私たちが物を見ることができるのは、太陽や電球からの光だけでなく、壁や地面に反射した「柔らかな光」があるからです。
Unityでもこの2つを区別して考えます。

① 直接光(Direct Light)

  • 仕組み: 光源から物体に直接届く光。

  • 特徴: 影がパキッと出やすく、ハイライト(一番明るい点)を作ります。

  • Unityでの代表: Directional Light(太陽光)など。

② 間接光(Indirect Light)

  • 仕組み: 地面や壁に当たった光が「跳ね返って(バウンスして)」周囲を照らす光。

  • 特徴: 影の中をうっすら明るくし、空間の「空気感」を作ります。

  • 重要性: 「なんかCGっぽい」という違和感の正体は、この間接光が足りない(影が真っ黒すぎる)ことがほとんどです。


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デザイナーが意識すべき「光の役割」

ライティングを組む際、以下の表をイメージしながらライトを配置してみてください。

項目 直接光(Direct) 間接光(Indirect)
役割 形状をはっきりさせる 空間を馴染ませる
影の印象 濃くて鋭い 柔らかくて薄い
主な設定 LightのIntensity(強さ) Environment(環境設定)

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実践:影を「真っ黒」から卒業させる

Unityの初期設定では、影の中が真っ暗になりがちです。
これをデザイナーの視点で「深みのある影」に変える最初の一歩は、『Environment(環境)』 の設定です。

  1. Window > Rendering > Lighting を開きます。

  2. Environment タブを選択します。

  3. Environment LightingSource を確認します。(通常は Skybox になっています)

  4. ここの Intensity Multiplier を少し上げたり、Ambient Color を調整することで、影の中に「空の色」や「周囲の色」をわずかに混ぜることができます。

これだけで、キャラクターの影側が真っ黒にならず、周囲の環境に溶け込んだような「プロのルック」に一歩近づきます。


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ライティングは「引き算」と「色」

多くのライトを闇雲に置くと、どこが主役か分からない平坦な絵になってしまいます。

「一番見せたい部分はどこか?」を決め、そこに直接光(メインライト)を当て、それ以外は間接光や環境光で「うっすら見せる」……。
この光の優先順位をつけることが、デザイナーの腕の見せ所です。


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まとめ:光を知れば、空間が変わる

今回は、ライティングの最も重要な基礎である「直接光」と「間接光」について学びました。

  • 直接光 は形を作り、間接光 は空気感を作る。

  • 影が真っ黒なのは間接光が足りないサイン。

  • Environment設定 をいじるのが、ルック改善の近道。

次回は、この光をさらにドラマチックに演出する 『Skybox & Fog(空と霧)』 について解説します。
奥行きのある、エモーショナルな空間作りを楽しみましょう!

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