これまで、Timeline(第19回)を使って「一方行に流れる演出」を作ってきました。
しかし、アプリやゲームにおいて、ユーザーがボタンを押した時に「フワッ」とメニューが出たり、キャラが「ぴょこん」と跳ねたりする双方向のアニメーションは、別の仕組みが必要です。
今回は、デザイナーが「触って気持ちいい!」と感じる手応えを作るための2つの強力なツール、 “『Animator(アニメーター)』と『DOTween(ドゥ・トゥイーン)』” を解説します。
アニメーションの「状態」を管理する:Animator
Unityの Animator は、いわば「感情(ステート)の設計図」です。
例えば、キャラクターが「待機している時」と「走っている時」では、再生すべきアニメーションが違いますよね。
Animatorは、 “「今は待機中だからこの動き、ボタンが押されたら走る動きに切り替える」” という交通整理を行ってくれます。
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ステート(State): 「待機」「歩く」「ジャンプ」などの、動きのひとかたまり。
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遷移(Transition): 動きが切り替わる「矢印」。ここをデザインすることで、急にポーズが変わるのではなく、滑らかにポーズを繋げることができます。
👀 デザイナーの視点:
遷移のインスペクターにある「青いバー」を調整してみてください。
2つの動きが重なる時間を変えるだけで、キビキビした動きにするか、ゆったりした動きにするかをコントロールできます。
UIアニメーションの救世主:DOTween
Animatorは便利ですが、UI(ボタンのバウンドやメニューのフェードなど)を何百個も作る際にすべてAnimatorを使うと、管理が非常に大変になります。
そこでプロの現場で必ずと言っていいほど導入されているのが 『DOTween』 です。
これはUnityのアセット(プラグイン)ですが、デザイナーにこそ使ってほしいツールです。
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なぜ使うの?: 「0.3秒で、右から左へ、弾むように動かす」といった指示を、非常に短いコード(あるいは専用のコンポーネント)で実現できます。
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イージング(Easing): DOTweenの真骨頂は「動きの加減速」の豊富さです。
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OutQuad: スッと止まる(上品)。
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OutBack: 少し行き過ぎて戻る(ポップで可愛い)。
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OutBounce: スーパーボールのように跳ねる(元気)。
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どちらを使うべき? 使い分けの基準
デザイナーが迷わないための、現場での使い分けガイドです。
| 比較項目 | Animator | DOTween |
| 得意分野 | キャラクターの複雑なポーズ変化 | UIの移動、拡大縮小、フェード |
| 管理方法 | グラフ(設計図)で視覚的に管理 | コードや数値でサクッと設定 |
| 柔軟性 | 動きの種類が多いと複雑になる | どんなパラメーターも一瞬で動かせる |
「心地よさ」の正体は「予備動作」と「余韻」
アニメーションをデザインする際、12〜18回で学んだ「パーティクル」や「シェーダー」と同じくらい大切なのが、 “「タメ」と「戻り」” です。
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予備動作(タメ): ジャンプする前に、一瞬グッと沈み込む。
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余韻(戻り): 止まる瞬間に、わずかに揺れる。
このわずかなニュアンスをAnimatorのカーブやDOTweenのイージングで追い込むことで、あなたのデザインしたUIは「ただの画像」から「生きた体験」へと進化します。
まとめ:動きはユーザーへの「おもてなし」
今回は、インタラクティブな動きの核となる Animator と DOTween について学びました。
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Animator はキャラクターや状態変化の交通整理。
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DOTween はUIや小気味よい動きのスピード解決。
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イージング を使いこなして「触り心地」をデザインする。
次回は、この「触り心地」をさらに突き詰め、ボタンの反応や画面遷移の「気持ちよさ」を設計する 『インタラクションUX編』 です。
ユーザーを虜にする手応えを作っていきましょう!

