【第25回】「触り心地」をデザインする:Animator & DOTween 入門

Unity(デザイナー向け)

これまで、Timeline(第19回)を使って「一方行に流れる演出」を作ってきました。
しかし、アプリやゲームにおいて、ユーザーがボタンを押した時に「フワッ」とメニューが出たり、キャラが「ぴょこん」と跳ねたりする双方向のアニメーションは、別の仕組みが必要です。

今回は、デザイナーが「触って気持ちいい!」と感じる手応えを作るための2つの強力なツール、 “『Animator(アニメーター)』『DOTween(ドゥ・トゥイーン)』” を解説します。


スポンサーリンク

アニメーションの「状態」を管理する:Animator

Unityの Animator は、いわば「感情(ステート)の設計図」です。

例えば、キャラクターが「待機している時」と「走っている時」では、再生すべきアニメーションが違いますよね。
Animatorは、 “「今は待機中だからこの動き、ボタンが押されたら走る動きに切り替える」” という交通整理を行ってくれます。

  • ステート(State): 「待機」「歩く」「ジャンプ」などの、動きのひとかたまり。

  • 遷移(Transition): 動きが切り替わる「矢印」。ここをデザインすることで、急にポーズが変わるのではなく、滑らかにポーズを繋げることができます。

👀 デザイナーの視点:

遷移のインスペクターにある「青いバー」を調整してみてください。
2つの動きが重なる時間を変えるだけで、キビキビした動きにするか、ゆったりした動きにするかをコントロールできます。


スポンサーリンク

UIアニメーションの救世主:DOTween

Animatorは便利ですが、UI(ボタンのバウンドやメニューのフェードなど)を何百個も作る際にすべてAnimatorを使うと、管理が非常に大変になります。
そこでプロの現場で必ずと言っていいほど導入されているのが 『DOTween』 です。

これはUnityのアセット(プラグイン)ですが、デザイナーにこそ使ってほしいツールです。

  • なぜ使うの?: 「0.3秒で、右から左へ、弾むように動かす」といった指示を、非常に短いコード(あるいは専用のコンポーネント)で実現できます。

  • イージング(Easing): DOTweenの真骨頂は「動きの加減速」の豊富さです。

    • OutQuad: スッと止まる(上品)。

    • OutBack: 少し行き過ぎて戻る(ポップで可愛い)。

    • OutBounce: スーパーボールのように跳ねる(元気)。


スポンサーリンク

どちらを使うべき? 使い分けの基準

デザイナーが迷わないための、現場での使い分けガイドです。

比較項目 Animator DOTween
得意分野 キャラクターの複雑なポーズ変化 UIの移動、拡大縮小、フェード
管理方法 グラフ(設計図)で視覚的に管理 コードや数値でサクッと設定
柔軟性 動きの種類が多いと複雑になる どんなパラメーターも一瞬で動かせる

スポンサーリンク

「心地よさ」の正体は「予備動作」と「余韻」

アニメーションをデザインする際、12〜18回で学んだ「パーティクル」や「シェーダー」と同じくらい大切なのが、 “「タメ」と「戻り」” です。

  1. 予備動作(タメ): ジャンプする前に、一瞬グッと沈み込む。

  2. 余韻(戻り): 止まる瞬間に、わずかに揺れる。

このわずかなニュアンスをAnimatorのカーブやDOTweenのイージングで追い込むことで、あなたのデザインしたUIは「ただの画像」から「生きた体験」へと進化します。


スポンサーリンク

まとめ:動きはユーザーへの「おもてなし」

今回は、インタラクティブな動きの核となる AnimatorDOTween について学びました。

  • Animator はキャラクターや状態変化の交通整理。

  • DOTween はUIや小気味よい動きのスピード解決。

  • イージング を使いこなして「触り心地」をデザインする。

次回は、この「触り心地」をさらに突き詰め、ボタンの反応や画面遷移の「気持ちよさ」を設計する 『インタラクションUX編』 です。
ユーザーを虜にする手応えを作っていきましょう!

タイトルとURLをコピーしました